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時は1942年、ドイツ軍に包囲されたレニングラードで、落下してきたドイツ兵のナイフを盗んだために捕らえられることになった主人公レフ。処罰を免れることと引き換えに、彼が青年兵コーリャと共に命じられたのは、間近に迫った大佐の娘の結婚式に必要な卵を1ダース見つけ出すこと……。

「卵を探す」道行はつまり、彼らがいかにしてふたりとも無事にこの戦争を生き延びていくのか、生き延びることができるのか、という過酷な冒険譚でもあるわけで、飢餓と寒さに苦しめられつつも、次々に襲い来る困難を、機転とユーモアで切りぬけていく展開は、もうはらはらさせられ通しでした。いつ命の危機に晒されるか分からない、無謀とも言える旅なのに、悲壮感は不思議とあまり感じないのは、きわどいジョークを連発しつつ、次第に打ち解けあっていく主人公たちの遣り取りのおかげでしょうか。

戦時下の街の惨状は生々しく、時には目を逸らしたくなるほどの人間の残酷さも描かれています。でも、そんな中でも、友情は育まれるし、魅力的な異性に出会えば恋心が芽生えることもある。戦争という巨大の暴力の最中にあっても、例え自分の命さえ危ぶまれるような状況下であっても、人は誰かを気遣ったり愛したりすることができる。そんな当たり前のことに、若い命のしなやかなたくましさを感じました。

そして、何とも印象的なのが、ラストシーン。レフを訪ねてきた「彼女」の一言が、「全く料理をしない祖母」という冒頭のさりげない表現と繋がった時には「あ……!」と呟いてしまいました。
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2014.05.02 Fri l 海外小説(未分類) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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