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“音楽と夕暮れをめぐる五つの物語”と副題にあるように、人生のままならなさや切なさ、思いがけない出会いと別れが、どこまでも繊細に(そして時にはとことん滑稽に)綴られる、端正な短編集。

「老歌手」の夫婦の愛し合っているからこそ別離を選ぶという決断の哀しさ。「降っても晴れても」の主人公の、悲劇的なまでの情けなさ(でも最後には、埋め合わせのようにささやかなハッピーエンドが用意されていて、ぱっとしない人生にも悪くない瞬間はある、とちょっと安堵する)。「モールバンヒルズ」の音楽家夫婦の間に流れる不協和音が予想させる、一見成功を収めたように見える人々にも落とし穴のように訪れる不幸。「夜想曲」のドタバタコメディのような予測不能な展開(でも、どこかほろ苦い)。「チェリスト」の女性演奏家の抱えた、才能あるが故の(だからこそ、凡人たる私などは、明かされた瞬間唖然となった)守り抜かねばならない秘密。

全く、人の心とは一筋縄ではいかない複雑にして厄介なもの。けれど、だからこそ愛おしいものでもある、のですね。
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2013.10.29 Tue l 海外小説(未分類) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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