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架空の蝶と、覚えられては忘れられていく言語と、追いかけられてはすり抜けていく作家と。この物語の核は(あるいは筋は、枠組みは、語りの企みは)、これだ・ここにあるのだ、と確信した次の瞬間、またするりと逃げられて呆気に取られるようで……。どこまでもとらえどころがないのです。

語り手や、固有の名前を与えられた人物ですら、その確かな(確かだと思っていた)輪郭が簡単に融解していく。この本は日本語で書かれていて、私は今それを目にして読んでいるのだけれど、物語の世界の中ではきっと、その言語さえもゆるやかに揺らいでいる。掴めない不安と、翻弄される心地よさを両方味わって、読み終えた後の感覚は、これまで経験したことのないものでした。

「私」という一人称の語りは、その主人公の視点・言葉を信じて・寄り添って読むのが当たり前だと思っていたのだけれど、「私」の存在そのものが揺らげば、その存在に疑いを抱くようになれば、いともたやすく曖昧に、そして妖しげになる。そのどこか不穏な気配は、忘れ難いです。
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2013.01.30 Wed l 日本小説(未分類) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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