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遺品整理の最中に見つかった一冊の大学ノートから、疎遠になっていた父が生前「めぐらし屋」なるものの依頼を受けていたらしいことを知った娘の蕗子さん。戸惑いながらもその謎を辿り始める蕗子さんのもとに、「めぐらし屋」宛の電話がかかってきて……。

主人公である蕗子さんの人となりがそのまま滲み出たような、ほんのりと穏やかで柔らかい雰囲気が漂っています。何の変哲もない日々を追った淡々とした語りのようでいて、不意を突かれるようなエピソードが紛れ込んでいたりして―例えば手を拭いた後の濡れたハンカチの行方だとか、魚の絵を描く時に頭はどちらの方向を向いているかだとか―時折はと目を見開くような思いをしました。

蕗子さんが遭遇した「めぐらし屋」を巡る一連の出来事は、「何の変哲もない」と言ってしまうには些か不可思議なものなのだけれども、彼女の“受け入れる”でもなく“受け流す”でもなく、自分が許容できる範囲で“受け止める”ような在り方が、奇妙な出来事を日常の傍らにまですうっと引き寄せてくれていると、そんな風に思います。

百科事典や黄色い傘の絵、といった(個人的に)心躍る脇役たちの存在も忘れてはなりません。特に、百科事典にまつわる思いがけない縁が明らかになる下りが良いです。
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2011.06.29 Wed l 日本小説(未分類) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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