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温度計を携えて上るは、デパートや、入院していた病院や、昔住んでいた団地や、取り壊される寸前のビルの、屋上の数々。見下ろす景色が爽快だったり、日常とは違う特別な高揚感があったり、とにかく高いところが好きだったり、と理由は色々あるでしょうが、「屋上」という響きになんとはなし心躍る人は、案外多いのでしょうか。ちなみに、私にとっての屋上は「小さい頃に見上げた大きなバルーン遊具のある場所」、どこかノスタルジーを感じる場所です。

しかし、建物も気候も風景も様々な屋上レポートを読みながら、私が微かな憧れを感じた本当の対象は、いつもより高い場所から景色を見下ろすということ自体ではなく、立ち入り禁止の場所に敢えて「立ち入って」みたり、屋上越しに触れ合った見知らぬ誰かに向けて自然に手を振ってしまえたりする、そのフットワークの軽さであったのかもしれません。

そして、妙にしみじみと感じ入ったことがもうひとつ。かつて自分が馴染んだ場所、愛着を持っていた場所を再訪するということは、その地が記憶に残る姿と変わっていても変わっていなくとも、懐かしい人と再会できてもできなくても、幾分かの危うさを孕んでいる―愛情の深さと比例するようにして―、ように思います。近いけれどとても遠いそんな場所が、気付けば私にもひとつふたつと増え始めている、ということに思い至って、一抹の切なさを覚えたのでした。
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2009.09.24 Thu l エッセイ(日本) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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