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チベットで行方不明になった弟の手掛かりを追って、彼の地へ潜入した主人公。そこは、独特の宗教観と慣習を持つ人々が暮らす土地であると同時に、中国軍の脅威にさらされる危険な場所でもあるのでした。

不吉な予言に支配された年、かつての侵略者の生まれ変わりであると思い込まれてしまう主人公、輪廻転生する尼僧、といった溢れんばかりの神秘的要素満には、私の好みからしてそうすんなり入り込めないだろうと当初危惧していたのですが、すっかり物語の香りに中てられてしまった、という感じです。
その土地でしか効かない魔術にはめられた、という感覚で、いつの間にやら奇想天外な展開の方がむしろリアルに思えてくるほど。

語りの形式が独特で、「主人公の冒険譚を、本人から聞いた友人が口述筆記し、その手記を偶然手に入れた出版社社員=著者が発行したのが本書である」という込み入った造りになっているのですが、この設定は(そして、その辺りの事情が冒頭と中盤、最後に挟まれているところも)実に巧みだなあと思います。
あくまでも伝聞の更に伝聞、それだけにどこまでが真実でどこからがそうでないのかは曖昧なベールの向こうに隠れたまま。いかがわしさと現実味とが、そして生々しい体験とそれを物語る語り口に漂う冷静さが、絶妙なバランスでした。
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2008.01.31 Thu l ミステリ(海外) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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