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O・ヘンリーといえば、表題作の「賢者の贈り物」や「最後の一葉」を書いた人だという程度の知識しかなく、しかもあらすじは知っていてもきちんと読んだことはなかったために、説教臭くて教訓じみたいわゆる「いい人のいい話」、といういい加減なイメージを勝手に抱いていました。

しかし実際読んでみれば、痛烈な皮肉だったり苦々しい後味だったり、報われない人生だったり犯罪の顛末だったり、人間の細やかな喜怒哀楽やささやかな事件を愛おしむように見つめる作家の「目」の存在を感じるようで、当初の先入観を大いに反省です。
O・ヘンリー自身の波乱万丈な人生を知ってから思い返すと、余計に滋味豊富に思われてきます。

中でも気にいった話をいくつか挙げるならば、「最後の一葉」(病床の若い娘のため、嵐の中壁に一葉を描いた老画家が切なく、愛しい)、「警官と賛美歌」(挫折させられた改心。人生とは、時にかくも無情なものか)、「ミス・マーサのパン」(紛れもない好意と善意が生んだ、あまりにも苦い結末)、「楽園の短期滞在客」(舞台となる隠れ家的ホテルの雰囲気の良さ、じんわりと温かく幸福なラスト)、「水車のある教会」(文句無く感動的な、いい話。思わず涙ぐむ)、などなど。

一話一話はとても短いのに、きりりと引き締まった物語の運び、ぴりりと効いたどんでん返しの驚き、をどの話をとっても味わうことができ、読み出すと止まらない、もっともっとと読みたくなる、魅力的な短編集でした。
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2007.12.15 Sat l 海外小説(未分類) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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